チョコレート

食物とニキビの因果関係ってあるの?

ニキビと食事の関係は良く話題になります。

チョコレートを食べるとできやすいとか、ナッツ類は駄目とか、油分の多い食事をとるとなりやすいなどと言われますが、本当のところはどうなのでしょうか?

実は食物とニキビの因果関係を明確に証明した報告は現在のところありません。

日本皮膚会のガイドラインでは「特定の食べ物を一律に制限することは推奨しない。個々の患者の食事指導においては、特定の食物摂取とざ瘡の経過と関連性を十分に検討して対応することが望まれる」となっています。

ニキビの人を対象に行った調査では、ニキビの原因となる食物は油っこい食事、ナッツ、チョコレート、甘いもの、香辛料、コーヒーなどがあげられました。

ニキビの人が経験的にあげる食物は、ニキビの悪化因子となっている可能性はあります。けれども、実際に食べ物とニキビの関係についての実証を試みた臨床試験は少なくはっきりしたことはわかっていません。

チョコレートとニキビの関係とは

チョコレート
ではチョコレートとニキビの関係について、論文などではどう評されているのでしょうか。

少々昔のデータになりますが、1969年にFultonらは、軽症から中等症のニキビ患者65人を対象に盲検下(簡単にいえば、先入観による偏りが評価等に入らないようにするため、実験の目的や、自分がどの対象群が知らされないこと)で112gのチョコレートバーを4週間摂取した群と、チョコレート(ココア)成分のみを除いたほぼ同じ条件のバーを4週間摂取した群を比較しました。

そして、ニキビ(面皰、丘状、膿疱)の数が30%以上増えれば悪化、減少すれば改善という基準で調べました。

その結果、ニキビの数に変化がなかったことからチョコレートは悪化因子ではないとしています。

また、5症例でチョコレートバーを摂取する前と摂取した1カ月後を比較して、皮脂の分泌量や構成成分の変化に一定の傾向は観られなかったと報告されています。

現在でもこの論文を根拠として、チョコレートの主成分であるココアはニキビの悪化因子ではないと言われています。

(ただし、ココア以外の成分である糖分、脂肪分、カロリーなどが悪化因子となっている可能性はあります。)

糖分とニキビ

糖分とニキビの関係についてはどうでしょうか。

1967年のBettらの報告では16人のニキビ患者と16人の尋常性疣贅(一般的に手足や顔にできるイボ)患者、16人の健常人を比較して、砂糖の摂取量に統計学的な差がなかったといいます。

けれども、サンプル数が少ないため砂糖とニキビの関係を否定しきれないのです。(以後、砂糖とニキビの関係を臨床的に扱った論文はありません。)

なお、現在においてはインスリンとニキビについての議論がなされています。

※インスリン…膵臓から分泌されるホルモン。主に血糖を抑制する作用があります。

乳製品とニキビ

乳製品
重症のニキビと診断を受けたことのある高校生の食生活のアンケートを用いて調査した報告もあります。

Adebamowoらの報告ですが、牛乳の摂取量とニキビに相関関係があるというものです。

さらに、脱脂粉乳の摂取量とより高い相関関係があるといいます。けれども、同じグループの報告であることや、牛乳の摂取とニキビの発生機序の関係が不明で、根拠が不十分と指摘されています。

低GL食とニキビ

2007年にSmithらは、ニキビや糖代謝に影響のある薬剤を使用していない15~25歳までの54人の男性の軽症~中等症のニキビ患者を対象に12週間、高たんぱく、低GL食を摂取した群と、普通の食事を摂取した群の単盲検無作為比較試験(実施医師は内容を知っているが被験者は知りません。

被験者は無作為にグループ分けされます。(ランダム化)

を行いました。

野菜

その結果、低GL食でニキビの数と炎症のあるニキビ数があきらかに減少したとの報告があります。このことから、低GL食はニキビの症状改善に役立つと考えられますが、現時点ではひとつのグループからのみの報告のため更なる検証が待たれています。

低GL食とは

食品中の糖質(炭水化物)が血糖になりにくいのが低GI食。GIが低いほどその食品は血糖になりにくいです。

GIはグリセミック指数の略で「糖化指数」や「血糖指数」のこと。食べた糖が消化吸収され血糖になるのを、血糖が増える程度を数値で表したものです。

GI値が55以下の食品が低GI食といわれます。

低GL食はGIを100で割り炭水化物の重量(g数)をかけた値で、指標としてGI値よりも信頼度は高いです。GL値10以下の食品が、低GL食といわれます。

低GI食や低GL食はここ数年、ダイエットや糖尿病に良いと、いろいろなメディアで取り上げられているのでご存じの方も多いと思います。

低GL食とニキビの関係が今後もっと解き明かされるのが待ち遠しいですね。